角川映画、KADOKAWAアニメが低評価な理由は何故?「大衆文学と未来のメディア」

角川映画、KADOKAWAアニメが低評価な理由は何故?「大衆文学と未来のメディア」

第三世代の作者とパトロン

皆泥舟から降り始めている

 最近ではそう言った出版社を選ぶ唯一の理由とも言えるメディアミックス効果について非常に陳腐な出来になることが多くなってきていることから、出版社をあえて選ぶという選択肢が、作者の中から消えていっているという現象が引き起こっていっています。これはかつて、物語や芸術などが商業世界へと広がる前へと逆転していっているという現象などもその一つに加えられますが、それぞれの作者が徐々に知恵をつけて騙されにくくなってきているということもあるのかもしれません。特に大きな事象と言えるのはかつてクリエイターの誰もが抱いていた物の多くが幻想であるという事に気付かされたということに起因しているのではないかと考えています。

面白い作品が見たい

収益ベースから言うとクリエイターは最悪

 その一つにクリエイターは高所得者であるという幻想が、ネットの発達によって少しずつ打ち破られてきたということもあるのだと思います。特にこれは角川だけの問題だけではなく、多くの出版社が共通して抱えている問題ではあるのですが、作家などの多くは年収200万はたまた年収150万程度の金銭で作品を書き続けているという現実があります。一見多くの新人賞が百万や二百万といった賞金を掲げていることもあってかそれに目が眩んでしまう人もいるかもしれませんが、年収150万で人を一人雇うと決めていたのだとしたら初回で支払うコストである100万は実は安いのです。年収250万という事は月収20万ということなのですから、編集者一人の月収などと比べると非常にリーズナブルな価格に落ち着くということなのです。勿論これらは税金などを差し引いた額ですので実際には手取り約18万くらいが平均ということになります。勿論、光熱費などといった月額かかる代金を経費としてしっかりと計上した場合でです。

稼いでいる人の殆どが兼業クリエイター

 勿論有名な人に関しては一冊あたり毎月50万から60万程度の収益を確保している人もいるのですが、1000万円を超える作家になると他にもゲームのシナリオやその他のジャンルの小説、はたまたフリーライティングや、その他の作家活動を続けており、その活動資金を作品以外のところから引っ張り出してきているという現実も見えてきます。勿論これは高所得のライターだけでなく、低所得のライターに関しても、本業であるはずの本の収益が伸びないが為に、これを継続して続けているという現実もあるのです。

そして見えてきたのがパトロン方式

 そう言った事情から、もはや現代のクリエイター達のほとんどは既に収益としてのクリエイティングを諦めている人と、パトロンを見つけてクリエイターを続けるという二者が大きな割合を占めつつあります。特に後者に関してはKickstarterやCampfireなどのクラウドファンディングサイトなどでパトロンを見つけたり、個人出版などで収益を出していたり、はたまた会員制メールマガジンなどといったファンクラブ形式、はたまたパトロン形式といった部分で収益を出していたりします。特に、クラウドファンディングなどですと、有名所は超水道というゲームサークルで、ゲームオンリーのクラウドファンディングサイト、クラウドドライブにて623,000円を資金調達しておりました。ファンの中から58人がこのクラウドファンディングに対し出資しており、無料でゲームを出し続ける彼らがこうした機会でしっかりとその活動資金を手に入れられるというのは本当に素晴らしいことだと思います。つまり、これまでは一人の大金持ちのパトロンによって支えられてきたクリエイターが技術によって、より多くのパトロンから少額の出資を得て活動していけるようになってきているということなのです。

個人出版も変わりつつある

 個人出版に関しても一時期は詐欺的であったり、コストが異様にかかる割に全くと言っていい程回収不可能だと言われてきましたがそれも電子書籍という仕組みによって少しずつ変わってきています。これまでは個人出版と言っても版元を通さなくては出版できなかったため本来の意味での個人出版では無かったのですが、今では、完全に一人で本を作って一人で出版できる時代になってきているので、コストを限界までかけずに個人の出版が可能になってきているのです。特に有名なものがAmazonのKDPやパブーというGMOが運営する電子書籍サイトなどです。現在ではこの逆転現象も起こっており、こうした電子書籍で個人出版された物がヒットを飛ばして、紙の世界へも飛び出していくという構造になっていることもあるのです。

角川といえば

ハード面での安定可動が「基本的に」約束されるレンタルサーバーは、そんな面で安心だと思います。

今後の出版社に求められること

 現在、こうした個人出版に関してはその利益率がAmazonの場合だと35%~70%になっていますが、ここにまさに出版社自体もこれまでのノウハウを駆使して飛び込んでいくべきだと思います。特に、出版社に関してはこれまでのノウハウの量が違いますので、より良い本造りの為の様々な知恵を、個人販売プラットフォームの中にも上手く取り込めるようになるかと思います。特に角川などですと、ここで完全に権利を掌握したがる傾向があり、その権利を巡って様々な契約を結ぼうとしますが、結局最終的にお金をとれれば良いという話なのであれば、そんなまどろっこしい話をせずともプラットフォームを作り、その中から30%~65%の利益をかっさらえばいいのだと思います。これほど美味しい話が転がっていながら、目先の欲に転んで上手いこと話が進んでいかないというのは本当にもったいないことだと思いますが、今後Amazonの出方によってはまだまだこれから世界が変わっていくかもしれないという風な感覚は、全て抜けきったとは言い切れません。