角川映画、KADOKAWAアニメが低評価な理由は何故?「大衆文学と未来のメディア」

角川映画、KADOKAWAアニメが低評価な理由は何故?「大衆文学と未来のメディア」

新時代のコンテンツ業界で出版社と作者が生き残るには

フリーミアムクリエイターを確保し変える

 特に最近ではこのフリーミアムクリエイター(厳密にはフリーミアムではない)が異常に増えてしまっています。これはあくまでも趣味で創作活動をするという立場を表明している人で、中にはプロとして通用するような実力を持ちながらも、趣味で、無料で、という立場を貫き通している人の事を指し、人によっては、コンテンツは全て無料だけれども広告やその他のドネイトを得る物もごく少数ながらいるものの、その殆どが、本業があるので、趣味である創作では掛け値なしに無料としているのです。

 これは喩え話ですが、作家の人が本業の作家業が儲かっているから趣味のソバ作りを無料でやる、収益が全く出ない価格でやるといったらどうなるでしょうか? 勿論本業でソバ作りをやっていて、有名な人であればあまり影響は出ないかもしれませんが、ほとんどの人が無償のソバに流れるはずです。厳密なフリーミアムはほとんどを無料化し、一部で収益を出すという戦略なのですが、これはフリーミアムというよりは、市場を殺しかねない不当なダンピングだと言えるような気がしてきます。勿論消費者の立場からしてみれば、小説が無料になり、マンガが無料になり、アニメや映画も無料になり、蕎麦やラーメン、居酒屋、といった全てのものに波及して行ったらいいことずくめですし、よっぽど何らかの理由がない限りは有償のモノは買わなくなるでしょう。趣味だから無料でやる、無料でいいという認識がありとあらゆる分野に波及して行ったらそれはもはや社会自体が成り立たなくなるのは見えていますが、しかし、それを問題だ、変えるべきだというのはほぼ不可能な問題です。特にコンテンツなどの場合は既にその現実が示されていますし、もはや変えることは難しく、コンテンツに対して金を払う人はどんどんと少なくなってきています。

 海賊版が悪いなどと騒がれていることもありますが、根本にあるのは無料のコンテンツがあまりにも多すぎて、現金を支払うプライオリティーが異様なほど下がっているということが問題の根本にあるのでしょう。それでは一体どうすれば、この問題を解決できるのでしょうか?

面白い作品が見たい

We have more than 100 schools in the Philippines in our list for Philippines English study

プラットフォームの運営で収益を確保する

 一つ目の方法は、角川や集英社、小学館といった出版社のみが生き残る方法で、これらのフリーミアムなクリエイターを是として、プラットフォームを作って収益を出すという形になるかと思います。それは例えば今あるYoutubeのような広告ベース、または有料会員ベースの収益主体となるということですが、これは書き手であるクリエイターと読者を囲い込むことさえ上手くできれば半永久的に利益を生み出し続けることが出来る仕組みになります。勿論その過程で、幾ばくかをクリエイターに対して還元する仕組みなどが一般化していき、そこにプラットフォーム毎のサービス戦争が行われるという事になるでしょう。しかし、今現在はそう言った還元率について競争する段階に無く、作者からしてみれば、多くの読者にリーチ出来る、読者からしてみれば、より良い作品や、より多くの作者にリーチできるという事を望んでいる低い段階にあります。つまり、しっかりとその部分をおさえてコミュニティーを掌握し、プラットフォームだけを築いてあげれば、出版社的には将来安泰という事になります。勿論それらの中から人気の高い作品をデジタル媒体だけでなく、紙媒体でも配信するという事を始めれば、デジタルと紙のメディアミックス効果によってより多くの市場にリーチし、そしてより多くの収益をほとんど安全に生み出すことができるようになるでしょう。しかし、これでは多くの貧乏クリエイターや中堅とされている作家たちはことごとく消えてしまう可能性も見えてきます。コンテンツがほぼフリーであることを是としてしまうわけですから、これまで個人でほそぼそと活動してきたクリエイターなどもどうなるかはわからなくなってきます。

版権ビジネスは生かさず殺さず嫌われず

 二つ目の方法ですが、これは作者が生き残る為の一つの方法です。これまでは読者からお金を頂いて作品を提供するという立場を取ってきましたが、そうではなく、版権を出版社に売り、その対価としてお金を頂くという形になります。これが意味するところは、クリエイターとして生き残るためには自ら版権ビジネスに関して真面目にやっていく必要が見えてくるという事になります。特に人気になってきたフリーコンテンツに関して言えば、二次創作やグッツなどの版権ビジネスが通用する土壌が少しずつ見えてきます。そこを上手く利用して収益を得るという方法です。これであれば、作品自体は全て無料で提供してしまったとしても、その版権で収益を回収することが出来てしまうわけです。まさにフリーミアムな時代にピッタリのクリエイターといえるでしょう。

メディアミックスは作者、読者との対話を

 またそうなるとメディアミックスが作家に取って食っていくための一つの指標となりえて来ます。勿論これは、そのメディアミックス作品を出す側にも重要ではあるのですが、そこで質の高いものを出し続けるとなると、やはりどこかで無理が生じてきます。それはメディアミックス作品を出す上で、作者との対話やその作品が目指している読者との対話を明確にしる必要があるにも関わらず、作者がその部分に関して無尽蔵に時間をさくことが出来ないという問題です。

 しかし、これは一つの方法を使えば解決できます。それは作品の版権利用料にプラスしてその作品をメディアミックスする際に助けとなるような作品やキャラクターの設定に関することや、どういう意味合いを込めて作品を書いたのか、そのシーンがどういう意図で書かれていたのか、はたまたその作品自体がどの読者層を狙っていて、どういった意図に基づいて書かれたのかといった深い部分まで掘り下げられた設定資料集を売るということです。例えば、二次創作などをしようと思っているファンに取ってみてもこれらの設定や意図などは非常に参考になるものですし、単に版権利用料だけ売るとなると反感がありますが、こうしたしっかりと内容を掘り下げて理解した上でより質の高い二次創作が出来るとなると一定の需要を得ることが出来るでしょう。またこれらを容易しておきつつも、大規模な商業利用の場合のライセンスを別途用意するなどといったデュアルライセンス方式によってより多くの金を持つところから引張少ないところからはいただかないといった方法も試せるようになってきます。

角川といえば

常に新しい読者層を提案してみる

 そうなると、重要になってくるのはやはり、どの読者層に訴えかけるのかといった事になるかと思います。出版社側も、その時々での世間の傾向を鑑みて、ライセンスを買い上げる博打的な商売と、プラットフォームによる安定した収益の二つを得ることが出来るようになってきます。勿論これらは二つの車輪で動くものになっていて、それぞれで吸収した物をそれぞれにもっともあった形で活かすことが出来るようになってきます。それにより、もっと新しい読者層を開拓し、これまでに作品に触れたことが無かった人をいとも簡単に読者として取り入れ、その市場を独占することも見えてくるようになります。勿論これは作者にとってもしっかりと考えて行動していけば非常に有益な未来をもたらすことに相違はありません。

角川のこれからはどうなるか?

 ドワンゴと合併し、ニコニコのオーナーとなった角川ですが、元々はYoutubeの買収にも積極的であっただけあって、その先見性は本質的に素晴らしい物を持っているのだろうと思います。しかし、どうやらそんな角川も内部は一枚岩ではないらしく、リスク無しに結果を得ようとしているような行動や、誰かの為のように動いてはいるが、結局誰のためにもなっていないといった勿体無い事を繰り返しているきらいがあります。それらを払拭して、メディアミックスの角川として、そして日本のメディアの番人として収益面でも、人心掌握面でもより大きく強大になっていってくれればと思います。